奈良の世界遺産を訪ねて

法隆寺
                                       
昨日は、高校時代の音楽部の親しい五人で集まった、通称「五人会」(Yちゃんが亡くなったので4人だけれど、五人会)で奈良市に住むG先輩の案内で世界遺産を訪ねることになった。近くに住んでいてもこのようにまとめて回ることはないので、行ったことがあっても何年ぶりかと思うほどでとても良かった。10時に西大寺の駅で待ち合わせ、先輩の車でいざ、出発。先ずは法隆寺へ。法隆寺は、日本の世界遺産第一号だそうだ。もちろん指定されてから初めて、久し振りだ。ちょっと離れているので、大分前に宝物展を見に来て以来だ。修学旅行の生徒に出会う。奈良は修学旅行でも立ち寄らない学校が増えたと聞くのでゆっくり拝観したいところだが、彼らの心に残ればいいなと思う。夢殿のご本尊も開帳していて拝めた。法隆寺は広い。ちり一つ落ちていない、管理も大変だと思うのも自分が年を取った証拠か?宝物の展示もあって、新しい建物も建っていた。

夢殿

法隆寺を出て、法起寺に向かう。此処は聖徳太子の御子、山背大兄王が建てたお寺だそうで、小さいお寺なので、コースから外れているのか人も居なく静かだった。国宝の三重塔は706年に建てられた時のままの姿だそうだ。池も面に三重塔が映るように設計されているそうで美しかった。





法起寺三重塔

法起寺を出て薬師寺へ。ご本尊の薬師如来の穏やかなお顔。余りお薬のお世話にならないようにお願いする。ストラップになった小さなお守りを受ける。古い東塔はモノクロームで重厚、新しい西塔はあでやかに、対をなしている。日光、月光菩薩のたおやかで、お美しいこと!!
清清しいお色気を感じさせると言ったら、ばちがあたるだろうか?仏様も時代時代でお顔が皆違う。此処を出て、古いしもたやの茶粥のお店(塔の茶屋)で茶粥弁当を頂く。茶粥がとても美味しかった。ゆっくりとお食事を頂いてまた、元気を取りもどして、興福寺へ。ここも、修学旅行生でいっぱいだった。ここの五重塔は猿沢の池から見た景色が良いそうだ。国宝館では、お目当ての阿修羅像を見逃して後戻りするほどの人。阿修羅というと恐いイメージだが、とても可憐な仏様だ。八体おわす中のひとつで、少年の清清しさと凛々しさを併せ持つ。
興福寺を出て、元興寺へ。入り口で「よくげんこうじと読まれますが、がんごうじと言います、と説明がある。戦災にあっていないので、古いものが沢山残っていますとの事。簡素で穏かな感じがする。日本最古の瓦が、残っている。


写真に写っている赤い瓦が一番古い6世紀末の瓦で、黒い瓦がその次に古いのだそうだ。此処のように古い瓦をちゃんと使って屋根を葺いているのは珍しいのではないか。境内に並ぶ小さな石仏の群れ、古い瓦を葺いた禅堂のたたずまい、此処は簡素な中に静かな空間が広がって心を落ち着かせるようだ。手水鉢に浮かべられた椿とクリスマスローズ、お世話をしてくださる方の心遣いが、心にしみるようだった。

お仕事のため、早く帰るK子ちゃんを駅まで送って、東大寺へ。大仏様に会いに行く。此処でも学生達と会う。大仏様のおおらかな息にふれて、彼らのテンションも上がり気味。それにしても大きいなぁ。いつお目にかかってもそう感じる。優しいお顔だ。見上げる人の憂いも悩みもみんな吸い上げてくださるようだ。東大寺は、とりあえず、大仏様にお目通りしておしまい、今日の日程終了となる。ゆったりと時間の流れる心癒される一日だった。企画してくださった先輩に感謝!!有難うございました。
大仏殿前に見事に咲いていた枝垂桜