終戦記念日

今日、8月15日は61回めの終戦記念日である。
朝からテレビは小泉首相靖国神社に参拝したと
喧しい。選挙公約を最後の年に果たしたという。
ここで、すでに靖国は政治の手段になっているのでは
ないか?
私をとても可愛がってくれた伯父は沖縄で戦死した。
遺骨は帰らず、箱の中身は石ころだったという。
私は、沖縄に行って伯父の名前を刻んである前に手を
合わせてきたが、靖国に伯父が祀られているという実感
はない。だから、靖国にお参りしたいとは思わない。
伯父は最初の頃は満州にいたが、終戦間近に沖縄に転属
になって、死を覚悟したようで巻紙に筆で書かれた立派な
遺書を残している。これは、転属に決まった時に書かれた
もので両親の元に届いた。伯父というが、遺書を書いた時
の伯父は未だ33歳である。
祖母が亡くなった時、叔母の所にあった遺書を見せてもらい、
涙が止まらなかった。
甥、姪で伯父が生きていた間に顔を知って愛しんでくれた
のは私だけで私にあてた文に
「健やかに幸福に大きくなれ それのみを祈る
今一度逢いたかった 伯父の顔を忘るなよ」とあった。

伯母にあたる人は僅か3ヶ月の新婚時代を経て出征した
伯父に別れた気の毒な身の上で優しいおとなしい人
だったが終戦後数年でひっそりと亡くなった。
又、終戦後に祖父達の所に尋ねて見えたか、手紙が届いたか
定かではないが、伯父に助けられたと言う人から伯父の最後
が伝えられ、最後まで沖縄の人達をかばって慕われていたと
聞いたらしい。最後まで人に優しい伯父であったと知って
なお、戦争が無ければと思う。終戦の日は全国民が静かに
戦争に散った幾多の方々の霊の安かれと祈る日でそこに
政治色や不純なものがあってはならないと思う。