墨で消された教科書

暗い話題が続くのでせめて綺麗なお花を。


8月2日の朝日新聞に奈良東大寺別当森本さんと
作家の半藤さんの対談が載った。お二人共70代で
終戦を10代で迎えられた。 多感な時に正義が
180度転換するのを体験された世代だ。
昨日まで正しいと教えられたものが、正しくなかった
と言われてどう対処すれば良かったのだろう。
今なら直ぐ心のケアをしてくれるところだろうが・・・
終戦を境に人間がころっと変わる。大人は信用できない」
と感じたという。軍国主義の先生に「最後の一兵まで」
「一億玉砕」とか教えられびんたを食らっていたのに
ころっとかわって民主主義は良いと。
この世代の方達は本当に可哀想だと思う。
何が正しいと信じきれる拠りどころを失ったまま、大人に
なって。それで自分の子供たちに「こうしなさい」とか
「これが、正しい」とか言えるのだろうか?
家庭の躾が問題になる昨今、根源にこの正義不信を植え
付けられた私達の存在があるように思えてならない。
私は未だ、小さかったので、あの教科書を墨で塗りつぶす
こともそんなに心を痛めなかったが、白い所より黒くなった
教科書が不思議だし、汚くて嫌だった。その時先生がなんと
説明されたかは覚えていない。