お盆  友への手紙

天国のよっちゃんへ

今日は地蔵盆で、じいじは地区の当番で朝から忙しそう。
よっちゃんは、盆踊りが大好きだったね。
そう、この時期は、毎日盆踊りにあっちこっち探して行ってたね。

私が長崎から大阪に転校して初めて学校に行った時、先生が学級委員だった
よっちゃんを紹介されて「家も近くやし、面倒みたげてね」言われた。
それから、小学校、中学校、高校と一緒。
家も筋向いだし、もう姉妹みたいに過ごして、試験勉強の時も一緒に、何をしていたか?
バレナイ、カンニングの方法とか???

そして、よっちゃんは、盆踊りが大好きだったね。
今日は此処、明日はあそこと盆踊りの梯子をしてた。
日本舞踊を習っていたよっちゃんは、振りも上手で私はよっちゃんの後ろで真似しながら踊っていたよ。
家に在った、手回しの蓄音機で「祇園小唄」を掛けて踊っていると、ねじが切れて

 月は朧にひがしや〜ま
 霞む夜毎の篝火に
 夢もいざよう紅桜
 しのぶ想いを振り〜そ〜で〜に〜〜
「ココラカラ オソクナル」
 ぎ⤵お〜⤵ん⤵⤵ 恋〜い〜し〜〜〜や⤵
で、私はハンドルを必死で回す
と、元のスピードに戻る。
 で、無事によっちゃんは踊り二人でゲラゲラ!!

この手回し蓄音機、残念ながら大掃除の日に捨ててしまったのよ。
今思えば、置いといたら良かったね。
あの頃は、私は身体が丈夫とはいえず、ガリガリ
よっちゃんは、健康優良児で優等生。

だのに、どうしてそんなに急いであの世に行っちゃったんだろう?
天国でも盆踊りを踊っているかな?
もう、私も間もなくだと思うから、また一緒に踊ろうね。

よっちゃんも猫好きだったよね。
うちのアンですよ。