終戦の日


今日は、8月15日 69回めの終戦の日だ。

私は被爆した後、山に掘られた横穴の防空壕で暮らしていた。
家は原爆によって屋根も戸も吹き飛んで、被爆後に降った雨(いわゆる黒い雨)が漏り畳は、ガラス破片と刺さりキノコが生えていた。
それで、そのまま隣組10軒位が一緒に横穴に住んでいた。
だから、終戦のことは、防空壕の中で知った。
よくドラマでやっているようにラジオの前で正座して玉音放送を聞いたのではなく大人たちは「終わったげな」と囁き合い、ホッとするも帰る家は住める状態ではなくそれぞれが、知り合いを頼って散って行ったことだと思う。
うちの家族も母と弟と私は鹿児島に居る母の実家へ。
祖母と伯母はは親戚の家へ、父は戦後の後始末のため、どこかで世話になったと思う。
私達を送ったあと、父は急性白血病で入院したらしい。
2学期の半ばごろ、長崎に帰ったと思う。
家も住める状態になっていた。

私は一年生で、ただ事実を受け止めるのにそんなに衝撃はなかったが高学年、中学生、女学生くらいの人は凄い衝撃を受けたこととおもう。
今まで、「鬼畜米英」などと教えられていたのに、間違っていたのは日本であると言われて思想の根底から引っくり返されてしまったのだから。
教科書に墨を塗る作業は、一年生にとっては遊びの延長のようなものだったが、高学年には、辛い作業だったと思う。

辛い時代を生きた世代もほとんどの人が居なくなって、辛い時代を語り継ぐ人も少なくなった。
今も世界の裏側で戦争が起きている。
世界で唯一の原爆被爆国として、これからも世界平和に貢献する日本であって欲しいと心から思う。