カルメン

昨日は、次女と西宮にある県立芸術文化センターへ佐渡裕さんのプロデュースによる「カルメン」を見にいった。
佐渡さんがオペラを始めて3,4年目だと思うけれど毎年いきたいと思いながら実現しなかった。
今年は「カルメン」だしチケットもうまく取れて久しぶりのオペラで楽しみにしていた。
佐渡さんはオペラをもっとリーズナブルにして大勢の人に楽しんでもらうことをコンセプトに頑張ってポピュラーなオペラを上演しておられる。
とてもいいことだと思う。 外国のオペラは、5万以上したりする。
私達の年齢になっても庶民にはちょっと手が届きにくい。
私は若い頃にイタリアオペラもウイーンオペラも見ていて良かったと本当に思う。
若い頃の私が手が届く位のお値段だったのだろう。
それに比べると今の若い人達は可哀想だ。
ウイーンフィルもオペラほどではないけれど、結構なお値段だ。
で、娘にウイーンフィルもベルリンフィルカラヤンで聞いたものね!というのが私の自慢である。
たらたら自慢はこの位にして、「カルメン」はどうだったかいうと、先ず演奏はおいといて舞台装置に苦心の跡があって、セットは一つを場面場面で小物、照明、等で変えていく感じでお金をかけないセットになっていた。 それと、出演者を最小限に抑えるために奥行きが極端に狭かった。
それと照明が暗かった。 舞台装置はともかく、照明は、最初のタバコ工場の前の場面、最後の闘牛場の外の場面はもう少し明るくした効果が上がるのではと思った。
出演者の方は頑張っておられた。主演のカルメン役の林美智子さんは容姿端麗可憐でどちらかと言えばミカエラの印象、しかしハードな演技、踊りながら歌うとか、喧嘩しながら歌うとかとてもアクティブな役を見事に演じられていた。ちょっと痛々しい感もあったけれど。
ホセの佐野さんもとても綺麗な声だった。
見ているとき、台詞の場面があって「なんでかな?時間の節約なんやろうか?」と娘と話していたのだけれど今日プログラムをよく読んでみるとビゼーが作ったオリジナルは歌と歌の間を台詞でつないでいくものだったらしい。初演のあとビゼーの友人のギローが、台詞部分をレスタティーヴォでつなぐグランドオペラに改変された。今回はオリジナル版を基調にしながら、レスタティーヴォ版を混ぜてある、とあって納得が行った。
それにしても、「カルメン」は殆どの曲を知っていて見ていて楽しい。
佐渡さんの心意気に感謝しながら、また来年もと思ったことだった。
明日から7月ということでデザインを爽やかにした。