老いる

姑が家に来てから、今日で5日め。姑は95歳で齢にしては
元気だと思っていた。耳は前から遠かったが、頭はしっかり
している。肥っているので、歩くのがしんどいのか、あまり
歩かなくなって今は家の中だけしか歩けない。 
というのが、私達の認識だった。
ところが、来て3日目夜中に粗相してしまったらしい。
朝起きると、オロオロして今までこんなことはなかったのに
こんなん初めて、と言う。ごめんね、と言う姑に大丈夫よ
と言いながら少し哀しかった。
汚れ物を洗濯して、雨なので布団は部屋に広げる。
母の時もそうだったが、自分で思いがけない失敗をすると
ショックで頭の中の線がぶつぶつ切れるようで度重なって
だんだんボケてくるように思う。しっかりしていると思って
いた姑もこんなことが重なるとどうなるか?
きっと、夜中に目が覚めて急には他所に来ていることが
思い出せなくて、ふすまの位置、トイレの位置もまごつき
こんなことになったのかと思う。
連れ合いとこれから預かるときは私たちが出張しなければと
話し合った。


蛍がこのところの雨で毎日出ている。
数は少ないが、毎晩会いに行く。よう来たね、と話しかけると
応えるように光りだす。 いつもフィガロがニャゴニャゴと
言いながらついて来る。ニャゴと言っては足元にゴロリと
ひっくりかえる。歩き難いったら!!
しばしの癒しの時間である。