あの日を忘れない!!

今日は長崎に原爆が落とされてから62年目の夏である。あの日も今日のように良く晴れていた。人々は空襲警報解除にほっとして防空頭巾を脱ぎ胸元をくつろがせて、ほっとしたひとときを過ごしていた事だろう。その後に起こる地獄も知らずに。私は、小学1年生。登校日で学校に居た。家にたどり着くまでの心細さを今もはっきり覚えている。学校から家までの道、人っ子ひとりいなかった。日の光がキラキラ輝いていた。後から思うとあれは死の灰だったのだ。女学校の塀の側の木にいつもうるさいくらい鳴いているセミも鳴かず、町は静まり返っていた。あの日から62年、つい昨日のように鮮やかに光景がよみがえる。あの日がだんだん風化していく。あと40年もすれば被爆者は死に絶えてしまう。今の政治家はそれを待っているように思えてならない。戦争は悲惨だ。だが、それを体験した人は100年も経てば死に絶え、また戦争が起こる。戦争を知らない世代の良心を信じるしかないのかと思う。「長崎を最後の被爆地にしなければならない」という長崎の願いは世界の人たちにも伝えていかなければならないメッセージだと思う。誰でも自分の故郷が被爆地になるのは嫌だと思うはずだから。「しょうがない」とは思わないはずだから。